校長日誌

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2021年03年12日 | 校長日誌

3月11日(木)家庭学習日を利用して、中3は静修を行いました。卒業を前に、落ち着いて自己をみつめる半日となりました。学年末の忙しい中、係生徒・教員が創意工夫をこらして準備を進めてきました。講師の神父様にも大変お世話になり、無事に静修を行うことができました。何よりも69期生の生徒たちが今日の日を真摯に受け止めている姿に心打たれました。

実は、準備の段階で、今回のテーマ「試練~私たちは幸運~」を聞いたとき、一瞬たじろぎました。生徒たちが経験した「試練」は本当に重いものだったはずなのに…無理しているのではないだろうか…、させているのではないだろうか…と。静修のしおりの冒頭に、生徒たちのメッセージが紹介されていたので、引用します。「69期生は、さまざまな要因で多くの行事が中止や短縮、また、登校ができなくなりました。しかし、これらの困難は私達の絆や、自身の成長をさせてくれる”試練”でもありました。例年と違い”試練”を多く経験できたことを幸運だと思えるように、そして将来も受けているであろう”試練”に全力で挑めるようになりたいという思いを込めました。」まいりました。

今回、高Ⅲに続いて初めて講堂を使っての展開でした。イエズス会長束修道院から住田神父様に講師としてお越しいただきました。絵本・詩の朗読に続き、DVD(以前、ご紹介もした「わが命つきるとも~神父たちのヒロシマと復興への道」…国立原爆追悼祈念館制作の映像番組)の視聴と神父様の講話がありました。(祈念館HPでこの映像をごらんになれます。本校でも創設期にお世話になったチースリク神父様たちのお姿が心に刻まれる素晴らしい作品となっています。どうぞごらんください。)

絵本・詩・DVDと神父様のお話すべてがテーマにつながったように思います。3月11日、東日本大震災10年という日にこの静修が重なったこと、3月1日から始まった企画展の映像を視聴できたことなどが重なり、神父様の「消失したことを通して見たこと、見えたことを大切に」というメッセージは、私自身の心も大きく揺さぶられました。

黙想後に、「3年後の自分への手紙」を書き、ミサで締めくくられ、感慨深い静修となりました。

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世界の平和のために祈ります。世界には、今も紛争や災害、貧困、差別などの問題により、依然として苦しい生活を強いられている人たちがいます。また、国内に目を向けると、東日本大震災によって10年近く元の暮らしに戻ることができない人がいます。そのような人たちに、一刻も早く、安らぎのなか穏やかな心で過ごせる毎日が訪れますように。そして、私たちが常に苦しい状況にある人々に思いを寄せ、その人のために行動できるようにお助けください。

家族のために祈ります。私たちが家族への感謝を忘れずに生きていけますように。家族のさまざまな思いに寄り添い合えますように。また、憎しみや怒りではなく、幸せのある家族を作り、家族が健やかに生活できるようにしてください。(69期静修ミサ 共同祈願の一部より)

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感謝と祈りのうちに

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