今日の清心

一覧へ戻る

2019年12年27日 | 日記

私は7月23日から2か月間,国連ユニタール青少年大使プログラムに参加しました。

国連ユニタールは,平和構築,紛争からの復興・軍縮,SDGsの実現という3本柱で,開発途上国や紛争国,紛争直後の国などの国作りを担う専門家を対象に,様々な研修プログラムを提供しています。また地元広島でもグローバルな課題に向き合う公開セッションや教育機関などでの講演,キャリア相談会などを開催し,国連や世界の窓口となれるよう活動を展開している機関です。本部はジュネーブにあり,事務所はニューヨークと広島におかれています。

私が青少年大使に応募した動機は,SDGsの「海の豊かさを守ろう」について興味があり,さらに深くSDGsについて学びたかったのと,同じ広島に住む高校生と平和構築について話し合いたかったからです。

2か月の間に平和構築,核軍縮,SDGsなどについてのたくさんのワークショップに参加して,特に印象に残っていることを紹介したいと思います。

8/6に核軍縮・不拡散の専門家との公開討論会に参加しました。この討論会は国連ユニタールの繁栄局長隈本氏をモデレーターとし,国際連合事務次長軍縮担当上級代表中満氏,一橋大学法学研究科教授の秋山氏,国連軍縮研究所所長レナタドワン氏,ICAN国際運営局委員川崎氏と,来年開かれるNPT再検討会議の成功に向けて,国際安全保障問題や環境の悪化も含む様々な重要課題を乗り越えるために必要なことについてプレゼンテーションをしていただきました。

軍縮問題について世界の第一線で話し合われている方々のプレゼンをきくことで,各国は信頼欠乏症に陥っており,問題解決には各国間の信用をとりもどすことが大事だと実感しました。

この討論会の後に,ニューヨークから来られたナショナルジオグラフィックの記者の方と青少年大使でインタビュー形式のディスカッションを行いました。この記者の方は広島の子供たちに町で原爆についてインタビューを行っており,広島の子供たちの原爆に対する関心の高さに感心していらっしゃいました。そして,どのようにして広島では平和教育がされているのかとても興味を持っておいででした。世界で最も影響力のある雑誌の一つであるナショナルジオグラフィックの方とお話できて興奮が止まりませんでした。

8/22に広島レクチャーに参加しました。「核兵器のない世界を目指して 若者世代に期待すること」をテーマに元豪州外務大臣,オーストラリア国立大学学長で核軍縮について研究されているギャレスエバンス氏と東京大学大学院教授の藤原先生と共に,青少年大使のみんなでディスカッションを行いました。この会はエバンス氏の講演を聞いた後で,青少年大使がエバンス氏に質問をし,エバンス氏に答えてもらった後で藤原先生からコメントをいただくというものでした。

私はエバンス氏に日本やオーストラリアが核兵器禁止条約を批准するために国民ができることは何かと質問しました。NPTは現在24か国が批准していますが,日本,アメリカ,オーストラリアなどはまだ批准していません。NPTは核兵器の使用や保有などを法的に禁止する国際条約です。私は,NPTは被爆者の思いを法律にしたものと考えます。だから被爆国である日本は,率先してNPTを批准するべきです。その思いをエバンス氏に伝えると,「NPT批准についてオーストラリアも日本もともに市民,政府の関心は低い。だからみんなの意識を変えるためにアピールすることが大事である」とおっしゃいました。デモをしたり,署名を行ったりしてはっきりと自分の意志を示すことが大切です。このような草の根の活動が目標達成につながるとおっしゃっていました。

9月1日に,東広島の広島国際プラザでユニタールのプログラムに参加していらした南スーダンの教育者の方や会社経営者の方たちと交流をしました。この交流会で仲良くなったサラさんと,南スーダンではやっている音楽や,日本のいいところ,南スーダンのいいところや医療,教育が十分に行き届いていない現状などについて話しました。思うように英語が伝わらない場面もあったけれど,初めて南スーダンの人と話し,仲良くなれて嬉しかったです。別れるときに,私のことを忘れないでねと言ってサラさんがつけていたネックレスをもらい,感動しました。南スーダンの方々の温かい人柄に感動し,サラさんから教えてもらったおすすめの場所に将来訪れてみたいなと思いました。

活動最終日にはグループでファイナルプレゼンテーションを行いました。私たちのグループは,平和と貧困について発表しました。貧困を解決するためには貧困への直接的アプローチだけではなく,国の治安を安定させ,平和になることが一番です。

また今の私たちにできることは,SNSや学校で自分たちが経験したことを地道に発信し,政治家などのリーダーに届くように,これからも永続的に活動していくことだと最終報告会で伝えました。

ユニタール青少年大使に参加して,普通ならばお会いすることができないような,名実ともに偉大な先生方の講演を拝聴し,実際にディスカッションまでできたことはとても貴重な体験でした。

今までは核廃絶に向けて何ができるか漠然と思いを巡らせていただけでしたが,高校生としてできることは,草の根の活動を地道にしていき,これから大学生になり社会人になっても,中枢機関に届くように発信していくことだと確信しました。ディスカッションをさせていただいた元オーストラリア外務大臣のエバンス氏がおっしゃっていた,「地道な活動をねばり強く続けていくと,いつかは実を結ぶ」という言葉が私の心に強く残っています。今回の活動を経験して,世界中で飢餓や病気で苦しんでいるたくさんの人たちの苦しみが少しでも和らぐような手助けのできる大人になりたいと,改めて強く思いました。

そしてユニタールの素晴らしいスタッフの方々,青少年大使のみんなに出会えて,社会情勢に関心を持ち行動することの大事さ,また広島で生まれ育ったからこそ平和を伝えていく任務があるということを学びました。同世代の高校生の,平和やSDGsに関する関心の高さと知識の深さ,プレゼンテーション能力の高さには頭が下がりました。

充実した2か月間を送ることができ,今回経験したことを糧にしてこれからも活動を続けたいです。

~高Ⅱ生徒記~

一覧へ戻る