今日の清心

一覧へ戻る

2015年10年21日 | 教科

ここ数年,高校2年生は現代文の授業で明治大学文学部の読書感想文コンクールに応募しています。『生まれ出づる悩み』をはじめとする,読み応えのある10冊の中から1冊を選んで感想文を書くのですが,今年度は高校2年生だけでなく,高校1年生も応募しました。高校生部門では80名が入賞したそうですが,その中の32名が本校高校2年生,15名が高校1年生,合計47名もの生徒が入賞しました。本当におめでとうございます。高校2年生の生徒の感想です。

Tさん
私は『風が強く吹いている』という作品を読みました。この作品は仲間と協力し合って,襷を繋ぎながら長距離を走ることに青春の全てをかける若者達を描いた作品でした。読後の思いを素直に書き表せたことが評価されて,今回賞を頂けたのかなと思います。賞が頂けるなんて思ってもいなかったので,本当に嬉しかったです。

M・Yさん
 私は今回課題図書として一番人気だったカフカの『変身』を読みました。この話は,主人公グレーゴルがある朝,一匹の虫に変身しているのに気づくところから始まります。誰もが,この奇怪な現象を前にして不審には思わず,ただグレーゴルという名の異物を疎んでいく,この話の流れに引き込まれるように作品を読み終えました。まさか優秀賞の栄誉に輝くとは思っていなかったので,本当に嬉しく思いました。

M・Eさん
 私はカフカの『変身』を読みました。この本はある朝,主人公が毒虫と化した,というところから始まり,彼を取り巻く環境,家族の対応,そして彼自身の考え方がどのように変化したかを描いた,世の不条理をテーマとした作品です。重くて考えにくいテーマだったので,感想文はとても書き辛かったです。しかし,数日間真剣にこのテーマに向き合ったことで,いろいろなことを深く考え,密な時間を過ごすことができたと思います。普段,名作といわれる作品を読んで,そのテーマについて深く考えることは少ないので,良い機会となりました。様々な思考から自分自身の考えを固め,それを反映した感想文だったので,賞をいただけてとても嬉しかったです。

M・Eさんは文章を書くことが好きで,投稿することもあるのだそうです。「自慢していいですか」と言って,「天声人語で200字作文」に掲載された作文を見せてくれました。司法試験問題漏洩に関する,しっかりとした意見が述べられていました。意欲的に日々を過ごしているM・Eさんに脱帽です。これからの活躍が益々楽しみですね。皆さんも秋の夜長に,名作を読み耽ったり,自分磨きの為に何かにチャレンジしてみてはいかがですか?
因みに,入賞者の表彰式は11月14日に行われるそうです。また,その様子もお伝えできるかもしれません。

一覧へ戻る