広島市の西地区、己斐の町並みを東に少し離れ、眼下に太田川のゆったりとした流れを見下ろす高台に本ノートルダム清心学園は位置します。校門を入り、やや険しめの坂道を登り出すと、すぐにも木々の柔らかな緑に包まれ、枝葉のそよぐ音が心をなごませてくれます。周囲には自然が程良く残り、
授業中にも開け放した窓から時折、鶯や目白、四十雀などのさえずりが聞こえてきます。校舎からは広島市街が一望でき、その向こうには波穏やかな瀬戸内海が広がっています。安芸小富士と呼ばれる似の島がちょうど真向かいに、優美な姿を見せてくれています。夏にはセミが鳴き、冬には時に純白の雪が坂を染め、学校環境としてはまず申し分のない所です。
原爆によって灰燼に帰した広島の地に復興の槌音が響きだした頃、カトリック教会関係者の中からキリスト教精神を核とした女子校をぜひ広島に作りたい、という声が上がり始め、その招聘をうけて1950年にノートルダム修道女会という、戦前、岡山で 日本における活動を始めた修道女たちの組織が、この小高い丘を選んだのが本校のささやかな出発であり、1999年11月には 晴れて創立50周年を迎えた、カトリック系中高6ヶ年一貫教育の女子中・高等学校です。開校以来、キリストの教えの実践を 建学理念として掲げてきています。これをシスターと呼ばれる修道女の教員が中心となり、一般教員が協力して取り組んでいます。創立当時あったといわれる、いわゆるミッションの厳格なしつけ教育は、時代の流れで現在はかなり変化しましたが、奉仕的精神や、物を大切にする、質素を尊ぶ、という校訓は今も伝えられ、実践されています。一学年4クラスと小規模で家庭的な雰囲気があり、保護者や同窓生との交流も毎年行われる五月の学園祭・バザーを中心に活発で、よくノートルダムファミリーと呼ばれます。生徒気質も今どきの中高校生にしては真面目で堅実で、勉強はもちろんですが、クラブ活動や、生徒会、学校行事、奉仕活動などを学習面と両立させて、頑張り抜く者が多く、毎年めざましい成果を挙げています。そういうガンバリズムが一つの伝統となって受け継がれています。
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