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2019年01年17日 | お知らせ

高2のR・Fさんが今年度の「グローバル未来塾inひろしま」(第3期)に参加しています。先日まで行われていたフィリピン研修のようすを少し聞きました。昨年度も本校から参加させていただきました。連続して広島県の主催者、関係者の皆様にはお世話になり、感謝申し上げます。以下、報告をご紹介します。

私は、昨年の8月から「グローバル未来塾inひろしま」というプログラムに参加しています。
その一環として、1月4日から7日間、フィリピンの首都マニラを訪問してきました。
今回のフィリピン研修では、主に4つのことを行いました。

・JICAや日本大使館、ADB(アジア開発銀行)、ユニカセ(NGO)といった国際機関の訪問
・スラム街見学とご家族へのインタビュー
・第二次世界大戦の史跡見学
・フィリピンサイエンス高校の学生とのディベート、プレゼン

 

このうち、スラム街見学は、3期生である私たちが初めての試みでした。事前情報もあまりないまま支援団体の職員に先導されて、異臭の漂う街の中を進んでいき、8人の子どもを持つ45歳の女性の家にお邪魔しました。布きれと針金でできた家の壁、栄養状態のよくない鶏や豚などの家畜、汚れたコップで水を飲む女の子…これらの衝撃的な光景は、私に戦後の日本の街を想像させました。そこから立ち直って発展を遂げた日本にこそ、フィリピンにおけるスラム解消へのヒントがあるのではないかと考えました。
一方で、スラム街の中には、きれいな制服を着て学校へ通う学生や、支援団体による「くもん式」教育を受ける子どもの姿もあり、スラム内での生活格差も顕著に見られました。各コミュニティー内の格差が日本のそれとは比べものにならない程大きく、”光と影”が共存している国だということを知らされました。

 

ここで、「グローバル未来塾inひろしま」の概要についてご紹介します。このプログラムは、「国際平和拠点ひろしま構想」の取り組みの一つとして、国際平和を希求し、将来、世界的に活躍できる人材の育成を目指して行われています。広島県内の様々な高校から20人ほどが選ばれ、英語演習や模擬国連を行ったり、国際平和に関する講義を聞いたりします。青年海外協力隊の方や、国連で緊急人道支援に携わる方の生の声を伺えるという点で、国際協力に興味のある私にとっては夢のようなプログラムでした。特に、紛争地や発展途上国で活躍されている方のお話からは、現地での緊張感、使命感といったものがひしひしと伝わってきました。

今回の研修で多様なバックグラウンドを持つ人々と出会い、国際活動の現場を見学したことは、進路について改めて考え直すきっかけにもなりました。’将来の夢’を考える時に、特定の’職業’を今すぐに決めるのではなく、興味があることにどんどんチャレンジして自分の可能性を広げることが必要だと感じました。今回の気づきを大切に、これからも「自分の経験を活かした国際貢献」について模索し、同世代と手を取り合って行動していきたいです。

最後に、この場をお借りして、半年間ご指導くださった各講師の方々、このプログラムを運営してくださった県職員の方々、そしてここで出会った志高い仲間との出会いに心から感謝いたします。

なお、2月3日(日)には、このプログラムの成果発表と修了式が行われます。「国際平和のための提言」を英語で作成・発表するとのことです。公開行事なので、詳しい日程が出たら、広島県のホームページに紹介されると思います。また、校内では2月7日(木)HRで、中1から高2までの生徒が集い、上記の活動など、生徒たちのさまざまな活動の報告を予定しています。一緒に分かち合えるのを楽しみにしています。

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SDGs (持続可能な開発目標)10番 「人や国の不平等をなくそう」   「国連広報センター」より

Q なぜ、この目標が設定されたのですか。

A 所得や性別、年齢、障害の有無、性的指向、人種、階級、民族、宗教、機会を理由とする不平等は世界各国の中で、そして各国の間で根強く残っています。不平等は長期的な社会と経済の発展を脅かし、貧困削減を阻み、人々の達成感と自尊心を破壊します。これが犯罪や疾病、環境破壊の温床となるおそれもあります。最も重要なのは、人々が機会やサービス、生活を向上できるチャンスから排除されていれば、持続可能な開発を達成し、すべての人にとって地球をよりよい場所にすることはできないということです。

Q 不平等の例には、どのようなものがありますか。
A 5歳未満児 6,900 万人が、ほぼ予防可能な原因で死亡しています。農村部の女性は都市部の女性に比べ、出産時に死亡する確率が 3 倍高くなっています。開発途上国では、多くの家庭が、1990年代よりも所得の分配が不平等な社会に暮らしています。

Q この世界で実際、すべての人の平等を達成することができるのですか。

A すべての人の尊厳ある暮らしを確保することは可能であり、義務でもあります。政治的、経済的、社会的な政策を普遍的なものにし、恵まれないコミュニティーや社会から隔絶されたコミュニティーに特に関心を払う必要があります。それが可能であることは、最近の統計を見ても分かります。2007年から 2012年にかけ、特にラテンアメリカ・カリブ地域とアジア地域の50カ国以上で、最貧世帯の一部の平均所得が、全国平均を上回る上昇を見せており、これらの国での所得格差は縮まってきています。

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感謝と祈りのうちに

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