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写真:校舎

アイコン:花清心についてAbout Seishin

学校長あいさつ

写真:人物

ノートルダム清心中・高等学校 第10代校長

永山 弘

遠くに瀬戸内海を望む、緑豊かな高台にあるのが本校です。ひとたび坂を登ってしまえば、そこには落ち着いた学びの空間が広がっています。私たちは、このうららかな地で日々の教育活動を行っております。

さて、本校の教育理念は「心を清くし 愛の人であれ」です。この言葉に表されるのは、どのような人物なのでしょうか。

いろいろなとらえ方ができると思います。私は、自分の持てる力を、自分自身のためはもちろん、周りの人、それにとどまらず世の中のために使う人のことだと考えます。

2023年度にはコロナ禍が落ち着き、少しずつ以前のような生活が戻ってまいりました。かと言って、すべてが元のように戻ったわけではありません。私たちの生活は確実に変化しました。生物の担当教員として、少し生物の「進化」と結び付けて考えてみましょう。大きな環境の変化が起こると、生物はしばしば大混乱に陥ります。絶滅してしまう生物もいるでしょう。しかし、そのようななかでも環境に適応して生き残るものが現れてきます。まわりの生物と協力して生きることで、共に進化する生物も出てきます。生物の進化の歴史は、変化への対応の歴史なのです。そして人は、そのなかで生き延びてきた生物の一員なのです。

ただ、変化へ対応することはとても難しく、しばしば自分のことに精一杯になりまわりが見えなくなってしまいます。たとえそのような厳しい環境に置かれたとしても、「自分の身を守った上で、他者を手助けすることに回れる人」が「心を清くし 愛の人であれ」という言葉に目指される人物なのではないか、と私は考えています。しかしこれはあくまで私の答えです。あなたの答えではありません。本校6年間での経験を通して皆さん一人ひとりの答えを探していってほしいと思っています。

さて、皆さんがこれまで経験したこと、そしてこれから経験するすべてのことは、うまくいったこともそうでないことも含めて未来の皆さんの一部となります。あの時ああすればよかったと後悔していることや、する必要があるのかと疑っているようなことも、何年か後に活きてくることがざらにあります。ですから、本校は皆さんにとって、様々な経験を積める場でありたいと思っています。

学生時代は、失敗を恐れず試行錯誤して成長する、大人になるまでの準備期間です。少なくとも中高の6年間は、失敗しても周りの人が全力で支えてくれる「失敗し放題期間」として保証されていますので、存分にチャレンジしていってください。

再び生物の進化に関連させると、実は生物の進化は環境を整えることで方向性を変えることもできます。この環境を整えるのが私たち教職員の役割であると考えます。英語や数学といった各学科での問いだけでなく、人生における様々な問いに、自分なりの答えを出していく力をつける。これからの未来を歩んでいく皆さんがのびのびと過ごせますよう、私たち教職員一同、全力でサポートいたします。

ノートルダム清心の歩み

ノートルダム修道女会設立

写真:人物

ナミュール・ノートルダム修道女会創始者

聖ジュリー・ビリアート

子どもたちが生きていく上で必要なことは 何でも教えましょう

ノートルダム清心中・高等学校は、ナミュール・ノートルダム修道女会によるカトリックのミッションスクールです。この修道女会を設立したのは、一人の信仰心篤いフランス人女性、ジュリー・ビリアート。本校ではマザー・ジュリーと呼んでいます。

マザー・ジュリーは、1751年に北フランスの小さな村クビリーで生まれました。フランス革命前の社会の混乱期、ジュリーは目前で父親が襲撃され、自身も病を発して長い病床生活が始まりました。1789年に革命が勃発して社会がさらに激動する中、ジュリーは病床にありながらも、教育を受けることのできない貧しい子どもたちのため、「子どもが神から授かった才能を伸ばすための機会をあたえ、生きていく上で必要なことは何でも教えましょう」との信念により、ノートルダム修道女会を設立しました。しかしその後も苦難は続き、ジュリーと修道女会は誤解や中傷のため故国フランスを追われ、ベルギーのナミュールに拠点を移して教育活動を続けました。

マザー・ジュリーは、どのような試練や困難に直面したときも、「神様はなんと善いお方!」との言葉で前を向いて進み、子どもたちの教育に生涯を捧げました。その志は修道女会のシスターたちに受け継がれ、やがてその活動はヨーロッパ、アジア、アメリカ、アフリカ…と、世界に広がっていきました。そして、マザー・ジュリーは1969年、カトリック教会の「聖人」に列せられ、「聖ジュリー・ビリアート」となりました。

広島に私たちの学校ができるまで

写真:シスター

写真:シスター

数多の思いと情熱から「ノートルダム清心中・高等学校」が誕生

1924年、ナミュール・ノートルダム修道女会のアメリカ合衆国ウェルサム管区から、6名のシスターが来日し、岡山の女学校を継承して、修道女会の日本での教育活動が始まりました。アメリカの先進的な女子教育が岡山で行われていましたが、第二次世界大戦中、外国人シスターたちは強制収容後、アメリカへ強制送還されました。

しかし、終戦翌年の1946年再来日。当時「原爆投下で焦土となった広島の地に、子どもたちのための学校を設立したい」と願っていたイエズス会司祭やカトリック信徒の思いと、「被爆地広島にこそマザー・ジュリーの志による教育を」と望んだシスターたちの情熱が合わさり、1950年、広島の己斐の丘にノートルダム清心中学校開校、そして3年後に高等学校も開校し、私たちの「ノートルダム清心中・高等学校」が誕生しました。

沿革

1803年 8月 ナミュール・ノートルダム修道女会創立 フランスで教育事業に着手
1809年 ベルギーのナミュールに修道女会の学校を開設
1924年 8月 ナミュール・ノートルダム修道女会、来日 岡山の高等女学校を継承
1950年 3月
4月
初代校長 シスター・メリー・コスカ 就任
広島にノートルダム清心中学校開校 木造2階建中学校舎落成
1953年 4月
11月
ノートルダム清心高等学校開校
鉄筋3階建高等学校校舎落成
1955年 10月 聖堂落成
1956年 3月 第1回高等学校卒業生 142名
1961年 6月 鉄筋5階建短期大学校舎落成
1966年 1月 中学校校舎火災消失
1967年 7月 鉄筋4階建中学校・高等学校校舎落成
1968年 6月 体育館落成
1969年 6月 創立者マザー・ジュリー 列聖式
1973年 8月 ナミュール・ノートルダム修道女会 来日50周年
1982年 4月 校舎増改築落成式 中学校4学級編成
1983年 4月 高等学校4学級編成
1986年 10月 芸北教育場 ユリア館落成
1993年 10月 体育館改築落成
1997年 8月 第一次改修工事(中学校舎)
2004年 4月 クビリーホール(講堂)開館
2007年 4月 併設型中高一貫教育校に改組
2018年 2月 ノートルダムホール(新校舎)落成
2024年 8月 ナミュール・ノートルダム修道女会 来日100周年

校章・校歌

校章について

写真:校章

本校の校章は、青い鏡の上に、 なでしこの花が浮かび、その正面に「清」という字とNDの頭文字が記されています。

青の色は、澄みきった清らかさと限りない深みを漂わせており、 聖母マリアにささげられる色です。 繊細ななでしこの花は、 しかし、たくましい生命力を持ち、自分なりの装いを忘れることはありません。皆さん一人ひとりが、 清らかな心と信念をもって、人生を歩むことをお祈りする意味を持つ校章です。

The meaning of school badge

The four elements present in the school badge:the blue mirror, the nadeshiko flower, the word “pure”, and the initials “ND”.

The mirror reflects what we make of ourselves with God’s help. The mirror’s color, blue, represents purity and depth, and is the color we associate with the Virgin Mary. The nadeshiko flower is delicate, yet strong. The word “pure”, in Japanese, is at the center of the badge. The initials standing for Notre Dame, “Our Lady,” referring to the Virgin Mary are also in the center.

校歌

写真:生徒

  • 1.
    うららかに 朝は来たりぬ
    この岡辺 松風すみて
    輝けり 我が学び舎
    ふみ行く道は 光りみちて
    み母はつねに まもります
    ああこの幸を 何にたとえん
  • 2.
    ほのぼのと 青春は来たりぬ
    たらちねの 恵みの露に
    ひらけたり 心の花
    その心もて 助け合いなん
    御名を絶えせず 呼びまつり
    正しきわざを 励みつづけん
  • 3.
    はるばると 道は続けり
    この岡に 集いしわれら
    いざやいざ 進みゆかん
    知恵のとびらを うちひらきて
    なべてを神の み栄えに
    われつつしみて 捧げまつらん

作詞: 澤瀉久孝/ 原詞: 頼 稠子 / 作・編曲 : 蒔田 尚晃

世界とつながるノートルダム清心

写真:NDマーク

世界とつながり、より広い活動を

本校の設立母体であるナミュール・ノートルダム修道女会は、ローマに本部を置き、世界の16 の国々に拠点を有し、姉妹校の数は約120校におよぶ世界的な組織です。そして、国際連合に承認されたNGO(非政府組織)の一つで、教育活動や医療活動、人権支援活動など、世界で必要とされるさまざまなボランティア活動を行っています。また、2015年の国連でのSDGs採択の場には修道女会代表も出席しており、SDGsの活動にもさかんに取り組んでいます。 本校は、修道女会の姉妹校に加え、国内外のカトリック校ともさまざまな交流も行っています。

このようにノートルダム清心は、カトリックとナミュール・ノートルダム修道女会のグローバルなネットワークにより、世界とつながっています。